パンノキ

パンノキ(ウル)。前回に引き続き小休止ということで南国の植物。ポリネシアやミクロネシア、メラネシアなど太平洋の島々に行くとよく家の庭先で見かける。その他オーストラリアなどのオセアニア、マレー半島、インドなど広範囲で栽培されている。
原産地についてはいろんな本でポリネシア原産とか、インド原産とかその他色々で、インドとかマレー半島あたりからポリネシアまで人の移動とともに広まったとか、そのわりキャプテン・クックがヨーロッパに紹介するまで、ヨーロッパ人は知らなかったとか、僕自身は良く理解できてない。
だからポリネシアに限定してみる。ポリネシア人にとってパンノキはタロ(イモ)などと並んで主食的な存在。種が無い実は実の部分を、種が有る実は種の部分を調理して食べるらしい。この木が何本かあれば一生大丈夫という。しかし、さらにフランス領であるタヒチに限定してみれば、庭に沢山のパンノキが生ってはいるものの、現代の主食は100%中国人の作るフランスパン。
そういえば、ハワイではタロを蒸した(またはさらに発酵させた)ものをポイと呼ぶけど、タヒチではパンノキの実を穴を掘った地面に埋めて発酵させたものをポポイと呼ぶのが紛らわしい。とにかくキャッサバも含め、太平洋の島々ではこの手の食べ物が非常にポピュラー。
パンノキの名前の由来がまたいまいちバラバラで、実を焼いたものがパンに似てるとか、味がパンに似てるとか(実はイモぽいし、種は栗ぽいらしいからこれは有り得ないかな)、宣教師が手に持つパンがない代わりにパンノキを使ったとか。個人的には最後のが一番面白い。それに宣教師といえば、有名なハワイアン・キルト。これが宣教師のご婦人達が始めたとのことで、この柄のモチーフになったのがパンノキという説もある(当然別の説もある)。
名前がまったく南国的ではないけど、見た目はとても南国。カヌーの材料にもなるし、ロビンソン・クルーソーやバウンティ号の反乱を読んだ人には憧れの植物(子供の頃は本気で木にパンが生ってるのを想像してた)。だからちょっと男性的かとも思う。
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